いかれた帽子屋について考えてみる
先日、WOWOWで「不思議の国のアリス」が放送されていました。
私、アリスが好きなのでこれはみなきゃと思い見たんですけどね、
ちょっと違和感を感じたんですよ。ええ。
あれ?ところどころ違うぞ?
小さい頃からディズニー映画を見ていたのですが、幼いことなので結構日本語吹き替えで見ていました。
しかも、台詞とかも結構覚えていたのでこの違和感はすぐ感じました。
でも一番感じたのは、アリスの中でも人気キャラの一人、「イカレ帽子屋」だったんです。
イカレ帽子屋じゃなくてマッドハッタ―になってる
イカレ帽子屋は、原版では「Mad Hatter」。
私が幼いころ、つまり、日本での初版ではこの Mad Hatterはイカレ帽子屋、と訳されていたはずです。
なので、アリスがチェシャ猫と会話していた時、チェシャ猫は
「イカレ帽子屋にきくね」と言っていたのです。
(英語原文: I’d ask the Mad Hatter.)
でも、こないだみた最近のアリスでは
「マッドハッタ―にきくね」
と言っています。
ん!?
他にも違和感がありました。
チェシャ猫との会話あたりで出てくる会話に、「Mad」という単語はしょっちゅうでてきます。
昔は「イカレテル」という風に使われていました。
しかし、この「イカレテル」という言葉を言わないのです。
その代り使われていたのが
「へんてこ」
ヘンテコかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
イカレ時計だ!いかれちまった!!!!
ちなみに、お茶会の終盤ででてくる、ぶっこわれた(ぶっ壊した)Mad Watchは昔、
「イカレ時計だ!いかれちまった!!!」
と三月ウサギは叫んでいたのですが、今は
「ヘンテコ時計!ヘンテコ時計!!!!」
になっています。
ヘンテコってなんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いかれる、は差別用語?
なぜ「イカレル」という言葉からヘンテコになったのか。
たとえば、似たような(と言ったら大変語弊があると思いますが)「キチガイ」という言葉は差別用語として、放送禁止用語とされ、テレビでは使用されることを禁止されています。
それと同じように、「イカレテル」も放送禁止用語になったのかな?と思ったのです。が、
調べてもでてこないので、おそらく禁止用語にはなっていない、と思います。
他にも変更はたくさん
不思議の国のアリスは、あのワンダーで素敵な世界とは裏腹に、多くの「罵倒用語」「死を暗示する言葉」が使われます。
特に一番思い浮かべるのはハートの女王の「首をはねよ!」(Off with their heads!)です。
三枚のトランプが白バラをペンキで塗りかえているとき、アリスが
「どうして塗るのよ、白いバラを」と聞きますが、それに対し、
「ばれたら殺されちゃう!(Would quickly lose his head)」とトランプたちは言っていましたが、変更後は「クビになっちゃう!」というなんとも平和(?)な訳になってます。
ちなみ、「首切り」は放送禁止用語です。
でも、女王陛下の「首をはねよ!」は変更なしなんですね。
まぁ、そこを「こいつらをクビにしろーーー」だと、そもそもおかしいし、アリスが裁判かけられるまでの下りがまったく緊迫感にかけますからね。ここは変えることはできないのでしょう。
変更は時代にあわせておこなわれるもの
そのほかにも「デブ」という表現が「怒りっぽい」になってたり、
聞いてみるといろいろと変更がされているようですね。
これというのは、おそらく放送禁止用語とかそういうのではなく、
「子どもが見るアニメであるため、暴力的な、罵倒するような言葉は使わないようにしよう」
という取組なのかもしれません。
ちなみ、アリスが日本で販売されたのは、1984年。変更があったのは2005年からのDVDだそうです。
なので、昔を懐かしむ場合は、2005年以前に販売されたビデオをみるのがいいのかもです。